紗袷せ、無双、二重紗の違いといつ着るの?

紗袷せと無双と二重紗を同じ着物用に言っているお店や人がいらっしゃいますが、それぞれ別な着物です。

ここでは、その違いと着る時期をお話ししますね。

 

紗袷せとは

紗袷せは、絽や紗の生地の上に紗の記事が二重になっている着物です。
基本的に、訪問着ですね。
着ると下の絽の柄が透けて見えるのが、涼しげです。

また、白い絽の生地が濃い地の紗の生地と重なって、
歩くたびにモアレのようになるのが、素敵ですね。

紗袷せは、生産数が少なく、店頭ではなかなか目にすることはありませんね。

新潟県十日町の生産が一番多いと思います。

紗袷せの特徴

一般的に販売されている紗袷せは、
絽の生地の上に紗の生地が重なっている訪問着です。

白い絽の生地に友禅や金彩で訪問着の柄付がされています。
外側の紗の生地は、黒や紺など濃い色になります。

その方が、柄が透けて見えますし、モアレ感が強く、涼しげに見えます。

20年以上前から一般的に販売されていますが、最近は値段が高くなり、商品も少ないですね。
今販売されている商品は、絽と紗の組み合わせが一般的です。

無双とは

同じ生地で二重になっている仕立て方を無双と呼びます。

袷せの長襦袢の袖は同じ生地の袷仕立てだから「無双」と呼ばれています。

紗無双と呼ばれている着物が、内側も外側も紗の着物です。

下の紗の生地に友禅の柄が描かれていて、絽と紗の紗袷せと同じように見えます。

リサイクル着物で古い紗袷せは無双がよくあります。

新品の商品では見た事はありません。

二重紗とは

二重紗は、裏と表を一緒に織っている一枚生地のような織物で風通紗とも言います。

袋状に織られ中を風が通ることから、風通織と言われています。

裏と表が同じ柄で色が対になります。

帯でも風通織がありますが、技法的に同じ織り方です。

昔は、普通の紗の生地もありましたが、風通紗も「紗」と呼んでいましたね。

最近、西陣の生地で二重紗と呼ばれる生地があります。

表と裏が同じ柄ではなく、表が無地、裏が縞柄や矢絣柄などが多いです。

この生地は、基本的にコートや道中着にする場合が多いですね。

結論

紗袷せは、絽と紗の二重の着物で訪問着が一般的です。

絽の生地に友禅などで訪問着の柄付が施されています。

無双は同じ生地の袷せと言う意味で紗の二枚合わせの着物です。

昔の紗袷せは無双が多かったと思われます。

昔のリサイクル着物の紗袷せは無双が多いです。


紗袷せの始まり

大正時代にごく一部の方が着ていたらしいです。

呉服屋さんが売る物がないくらいのお得意様に売る商品として提案したと言われています。

真実は定かではありません。紗袷せの歴史は浅いですね。

一般的に広まったのは、東をどりで新橋の芸者が紗袷せを着たのがきっかけで一般的に広まったようですね。

着る時期

大きく分けて、3つあります。

  • 本来は、東をどりの時期(5月下旬)なので、5月下旬から末までの1週間と言われています。
  • 5月最後の1週間から6月1ヶ月間と9月1ヶ月間の単衣の時期は着ても良いという人が多いです。
  • 5月最後の1週間から6月いっぱい着るが9月に着るのは野暮、先取りなら良いという人もいます。

    個人的には、本来の着る時期を知りつつ、

先取りで5月、6月。単衣の時期として9月。屋内のパーティなら7月、8月でも着て良いと思います。

本格的に流行したのは、戦後ですから正式な決まりは、無いに等しいです。

帯、長襦袢、小物の組合せ

帯は、絽綴れの名古屋帯、絽の袋帯など織りの夏帯です。
訪問着なので、格式が高い帯を締めてください。
長襦袢は、夏物です。礼装なので白い絽の生地がベストです。。
麻や洗える長襦袢でも、礼装向きなら良いです。
小物は、絽の帯揚げと夏の帯締めです。
草履はこだわるなら、パナマなど夏の素材が良いですね。

着る機会

紗袷せは6月の結婚式には、一番良いですよ。

ジューン・ブライドといわれて今でも結婚式が多い季節ですよね。
ただし、披露宴に出席する場合だけですよ。
身内は黒留袖、色留袖ですね。

紗袷せは、訪問着でも柄がある絽の生地を紗で覆っているので、
柄がはっきり見えません。

ですから、それほど仰々しくないので、
食事会や観劇などにも向いていますね。

着物ファンなら一枚欲しい着物ですね。

リサイクル着物なら、高価な紗袷せも5〜10万円です。

今年は、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

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