前回は、帯締め、帯揚げの種類や使い方をご紹介しました。
そうしたら、読者から
「三分紐ってどう使ったら良いのですか?」という問い合わせがありました。
本来、三分紐は帯留の時に使う帯締め代わりの紐でしたが、
おしゃれにもいろいろ使っているようなので、この機会にご紹介します。
浴衣に三分紐をしても素敵ですよ。
Contents
三分紐について
三分紐とは、名前の通り幅が3分、9ミリから1センチ位の紐です。
本来は、帯留に使う帯締めの紐です。
明治9年に廃刀令がでたので、
不要になった刀装具を帯留にして使用するようになりました。
廃刀令で刀装具を加工していた職人は、職を失い帯留め職人となりました。
以降、帯締には帯留をしなければいけないというくらい
帯留が大流行しました。
また、皇室は、西洋の高官などと交流が増えてきたので、
ドレスに宝石の豪華な衣装に負けないように、
真珠などの宝石を使用した帯留で豪華さを演出しました。
今でも、皇室は公式の場で和服の場合はほとんど帯留をしています。
ですから、礼装に帯留は不釣り合いという意見も間違いだと思います。
最近はおしゃれ用の帯留も多く、
4分、5分の通常の平組の帯締めができる帯留めも増えています。
三分紐の話しに戻ります。
三分紐単品で使うことは、本来おかしいですが、
最近は浴衣などの半巾帯に使っているようです。
三分紐の結び方
三分紐は細いので、帯が緩まないように、仮紐を使うと良いですね。
腰紐ではなく、マジックベルトでも良いですよ。
- 帯を締めたら、腰紐かマジックベルトを仮紐にします。
- それから、帯留に三分紐を通し、締めます。
- 結び目は、帯締めと同じように本結びをして、
紐が余ったら蝶結びなどでまとめます。 - グルッと後ろに回し帯留を体の中心にして、仮紐を外します。
- 仮紐を締めている時に緩まないようにギュッと結びます事が大事です。
- 緩んでいる場合は、やり直しましょう。
三分紐は、フォーマル用とおしゃれ用があリます。
こちらは、無形文化財五嶋紐の正絹三分紐です。
上質な色合いで光沢が美しい三分紐です。
丁寧に組み上げた五嶋紐の三分紐は大人気です。
紐の真ん中に1本のラインがオシャレですね。
片面は無地の二色仕上げだから
さりげなく帯のアクセントになります。
カジュアルに着る時の色無地から
小紋、木綿着物まで幅広く合わせやすい三分紐です。
三分紐単品でも良いですが、
お洒落用の帯留めを一緒に使うとオシャレ度がアップします。
五嶋紐で琉球ガラスの帯留付きの三分紐もありました。
伊賀組紐の井上工房が製作した、礼装用の三分紐です。
留袖、色留、訪問着にピッタリですね。
必ず、帯留を使用してくださいね。
パールの帯留がお薦めです。
フェイクパールだとお買い得ですよ。
本真珠の帯留は豪華で留袖向きですよ。
鼈甲の帯留も素敵です。
ツモリチサトの帯留めはカワイイですね~
浴衣用にかわいいマーブルのとんぼ玉も良いですよ。