リサイクル着物の宝探しと本物を見分けるコツ(その1・三大紬)

リサイクル着物は宝探し

リサイクル着物の山

リサイクル着物ってお店によって品揃えが全く違います。

もちろん、似たような商品があっても価格が違います。

一般的には、古着屋さん的なお店は安い物が多く、

綺麗なリユース着物を取り扱っているお店は、価格が高いけど、良い物が多い。

でも、時には、綺麗なリユース品を取り扱っているお店でもセールで驚くほど安い商品もあるし、

古着屋さん的なお店でも作家物のすごい商品が埋もれていることもあります。

素人には、お宝と思えた商品が実はハズレを引いたなんてこともあります。

一番失敗しない買い方は、商品知識のあるお店でアドバイスを受けながら選ぶことですね。

とはいえ、自分でお宝を探し当てたいと思う方に、お宝を探すコツをお話ししますね。

 

 お宝商品の見分け方を教えます

お宝というのは、コストパフォーマンスが良いお買い得商品と絶滅危惧種のようなレア商品があります。

まずは、コストパフォーマンスが良いお買い得品を見分けるコツをお教えしますね。

 

お買い得品がある商品とは?

お買い得品とは、新品とリサイクル品の価格差が大きいものと言えます。

ざっくり言いますと、リサイクル品は新品の1/10が目安です。

それより安ければお買い得と言えます。

もちろん着物の状態や経年数、未使用かどうか、などいろいろな要素がありますので、

一概には言えませんが、概ねそんな予算感を頭に入れておいてください。

 

お買い得品の商品別(大島紬、結城紬、牛首紬)

それでは、商品別にお話ししますね。

商品によってお買い得感が違います。

リサイクル市場に数が多い商品は値崩れしますので、相場が安いことが多いです。

紬類は、状態が良い商品が多く、数も多いのでお安く手に入る着物です。

最初に日本三大紬と言われている大島、結城、牛首についてお話しします。

 

大島紬類が狙い目だが・・・偽物も多い!

大島紬が一番数も多く、分かりやすいので狙い目です。

しかし、偽物が多いのも大島紬なので、注意してください。

きちんとしたお店ならほぼ安心ですが、商品知識の乏しい古着屋さんでは危険だと思います。

商品を選ぶポイントは、本場大島紬の証紙があるかどうかです。

 

40〜50年前、韓国で本場大島紬と同じくらい大島紬が織られていました。

また、国内でも機械織で1万円くらいで売っている大島紬風の商品がありました。

それ以外に機械織の村山大島紬もあります。

その頃制作された大島紬が今現在リサイクル市場に出回っています。

 

初心者の方は、大島紬の証紙付きを選んだ方が安全です。

特に韓国産の大島紬は見分け難い商品です。

泥染の色が白っぽい、絣が波打っている、生地が毛羽立っている、

有色の場合、色がボケている、などの特徴が当てはまるものもありますが、

藍色などの大島は本場と見分けがつき難いものもあります。

 

本物でもマルキの違いが値段の違い

本場の大島でも横惣という横糸だけが絣の大島紬と縦横があります。

横惣は新品でも10万円前後です。

縦横大島の織の細かさの単位はマルキです。

簡単にいうと、一マルキ80本の絣糸と言われています。

片ス、ひと元の違いもありますが、今回はマルキのみについてお話しします。

 

5、7、9マルキがリサイクルでは多いです。

マルキが大きいと柄が細かくなるため、曲線のギザギザが少なくなります。

T字絣も細かいけど、図案も曲線が綺麗になります。

新品の価格は、5マルキで新しい商品は生産されていないと思いますが、

もし、あれば20万円前後、7マルキ40万円前後、9マルキ80万円前後です。

大体、倍々になります。

 

新品価格の1/10が目安になります。

未使用、寸法が大きいなどプラスの材料があれば価格もプラスになります。

最終的には、寸法が合って、柄が気にいることが一番ですが、相場を知っておくことも大事ですね。

 

結城紬は本場は希少、機械織の結城紬が多い

結城紬

結城紬に関しては、石下結城紬という機械織の商品がリサイクルでは多いです。

本場物ですと、リサイクルでも高単価になりますし、証紙が有る無しの問題が難しいです。

本場結城紬は、証紙があっても間違いなく本場で有ると言い切れません。

見分け方はいくつか有るのですが、一番確かなのは、10倍ルーペで生地を見て織の密度の細かさを確認すること

20倍ルーペで経緯糸自体に撚りがかかっていないかどうかを確認することです。

そこまでしなくても、生地に光沢がある、生地に張りがある、節が長い、経糸に節が無いなどがあれば、本場結城紬ではありません。

 

牛首紬のリサイクル品は数が少ない

石川県の無形文化財で40年位前に一世を風靡した「牛首紬」

牛首紬の企画をやると3日間で1000万円以上売れた時も数多くありました。

その頃売れた牛首紬が今リサイクル市場に出回っています。

30年位前から、牛首紬の廉価版「白山紬」がデビューし、お手頃価格で販売していました。

この商品も今、リサイクル市場に出てきています。

 

牛首紬は、証紙があれば間違いないし、訪問着であれば下前に楽観があるので分かります。

通常の小紋や無地、たたき染の小紋、縞柄の先染めの織物など反物は落款はありません。

証紙を破棄している場合は、見分けがつき難いです。

 

牛首紬は、緯糸に節があります。経糸は生糸なので節はありません。

糸を含ませる「糸はたき」をするので、しなやかですがしっかりとした生地です。

白山紬は、機械織のため生地に張りがあるます。

中にはペラペラの生地もありますが、割と厚みのあるしっかりした生地もあります。

緯糸の節は牛首紬よりも少なく、ツルッとした感じの生地です。

また、たたき染牛首紬は共八掛でしたが、白山紬は基本的に八掛は紬の八掛を着けました。

 

言葉で言うと明確な差はないように思えますが、触ると明らかな差があります。

しかし、絶対という判断は出来かねるので、証紙や落款があると良いですね。

 

紬全体に言える経年数の判断

経年数が長いと、安くなります。最近の商品だと高くなります。

その違いは、表地の状況も大事ですが、分かりやすいのは裏地の状態です。

裏地が安いペラペラが付いているのは、着物が安物か、よほど古い商品になります。

また、しっとり感がなくカサカサした裏地は経年数が多いと思われます。

これは八掛、胴裏どちらにも言えます。

 

大島紬に多い現象ですが、表地が縮んで、表が袋になっている場合があります。

表地にたるみがあると言うことです。

これはかなり経年数を経過していると思われます。

基本的に表地を詰めるお直しをしないといけないので、余計に費用がかかります。

 

お宝品とはどんな商品?

  • 大島紬なら、本場大島紬7マルキで3万円以下。
  • 9マルキ大島紬証紙付き(韓国産が多いので)5万円未満。
  • 本場大島紬の織りの訪問着(恵積五郎、都喜右衛門)
  • 7マルキ横総絣(恵積五郎など)
  • 12マルキ、もしくはそれ以上のマルキ
  • 本場結城紬証紙付き
  • 牛首紬

 

寸法が大事

寸法が大事です。

特に大島紬で地空の黒など無地が多い商品は、裄を出すと折れ線が残ります。

ですから、基本的に裄を出す事はお勧めできません。

また、お直し代が高いので、せっかく安く買っても高い買い物になってしまいます。

また、物によっては直すことが不可能な場合もあるので、なるべくそのままで着られる着物を購入しましょう。

 

最後に

リサイクル着物店にはお宝が潜んでいます。

それを見つけられるかどうかは、貴方の目にかかっています。

お店の人にいろいろ聞きながら楽しく宝探しをしてくださいね。

 

私たちは、着物を着て笑顔になってもらえる人を増やしたいと願っています。

着物は貴方の魅力を引き出す最高の衣装です。

着物を着て輝いてくださいね!

また、お会いしましょう(^_−)−☆

 

 

 

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